7作目:偽善的な世の中に波紋を起こす。「命を奪うことを楽しむ人間」の姿を非批判的に描いた映画『サファリ』|GOOD CINEMA PICKS
の圧倒的な孤独さもみられる。「命を奪うことを楽しむ」「売春」といった、道徳の授業では必ず“悪”だと教えられるような行いをする人々を、決して肯定するわけでもなく、否定するわけでもないザイドル監督の態度は一貫している。
ザイドル監督の作品はその過激さから、賛否両論があるのも事実。『サファリ』の資金調達をしているときに、テレビ局の論説委員に作品中の動物が殺されるシーンや解体のシーンが理由でテレビでは放送できないと抗議を受けたそうだ。これに対して彼は世の中の「偽善」に疑問を投げかける。
彼の立場を考えると、その抗議はもちろん理解できますが、私たちが現在生きている世界がどれほど偽善的なものなのか、一度真剣に考えてほしいと思いました。アフリカのトロフィー・ハンティングは現実で行われています。その現実を強制的に検閲してひた隠すことが、不必要なタブーを作っているのではないでしょうか。
それは本当に社会のためなのでしょうか。現実を見ることが大切です。この映画の場合、動物愛護という一側面だけで語ったり、考えてしまってはいけないと思います。動物が殺されているのを隠すことが動物愛護ではないと思います。現実に向き合うことで、本当の意味で視聴者はアフリカのトロフィー・ハンティングについて多角的に考えられます
また、作品が「グロテスク」