「政府の対応を待っていたら、みんな死んじゃう」。“ときに危険を伴う呼吸の二面性”を芸術で発信する女性
それでウェブサイトが機能していないなら自分でアスベストに関する最新情報を発信していこうと思って作ったんです。でも最新動向を追っていくことが自分の仕事じゃないとやってるうちにだんだんわかってきて。結局、芸術系のことに落とし込まないと自分の興味も続かないから、アスベスト事情とか治療の現在とかはアスベストセンターなどの専門家に任せて、そんな彼らを私は紹介していこうと思いました
私は誰かのために働き、誰かは私のために働く
困っている人の問題を「自分ごと」と感じられなくても、そんな人たちに手を差し伸べるような社会は結果的にすべての人が生きやすい社会だということに、少しでも多くの人が気づくべきなのかもしれない。野口さんはオイリュトミーの生みの親、シュタイナーの言葉を引用してこう説明してくれた。
「共に働く人びとの全体の幸せは、一人ひとりが自分の働きの収益を自分のために求めることが少なければ少ないほど大きくなる。言い換えれば、その一人ひとりがこの収益を共に働く人々に分け与えることが多ければ多いほど、そして自分自身の必要としているものを、自分の働きによってではなく、ほかの人々の働きによって充すことが多ければ多いほど、ますます大きくなる」