#10 「食のために毎秒4万の命が殺される」。その事実を全身で訴え続ける、“動物”に最も近いアーティスト|GOOD ART GALLERY
人種差別ならぬ「種差別」
そしてもし平和で公平な社会に生きたいのなら、エシカルヴィーガン(食べ物だけでなく、身の回りのものからできるだけ動物由来のものを避けること)が唯一の方法だと彼は考えている。普段生活をしているなかで、人間本位にならない考え方を持ち続けることは簡単ではない。ただ、人間が他の動物たちとこの地球上で共存しているという事実を忘れてはいけないだろう。
狩猟家系からビーガンへ
このような強い信念をもって行動するアルフレッドなのだから、長年ビーガン(完全菜食主義)として生きてきたのだろうと思う人も多いかもしれないがそうでもない。彼は代々、狩猟や漁業を行ってきた家系に生まれた。そのような環境で育ってきたがゆえ、幼い頃は自身も狩猟や漁業に連れて行かれたそうだ。家族の影響を取り除くのはとても大変だったという。今の彼にとって、重要なことは育った環境や社会に馴染むことでもなく、持続可能性や社会における公平さなのだ。正反対と思える環境で生活してきたからこそ、動物に対する思いやりを十分が強いのかもしれない。様々な経験の連続が少しずつ彼の意識に影響を与え、結果として彼をビーガンという選択肢にたどり着かせた。