くらし情報『9作目:「エイズ問題」を見て見ぬふりをする政府や、製薬会社に抗議する若者を生々しくエモーショナルに描いた映画『BPM ビート・パー・ミニット』|GOOD CINEMA PICKS』

2018年3月18日 03:06

9作目:「エイズ問題」を見て見ぬふりをする政府や、製薬会社に抗議する若者を生々しくエモーショナルに描いた映画『BPM ビート・パー・ミニット』|GOOD CINEMA PICKS

ショーンが劇中でそう話していたように、もし自分が死んでしまったら遺灰をデモで蒔くような“政治的埋葬”を望む者たちも少なくなかったというくらいに、活動には命が捧げられていたのだという。

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なるべくワンテイクで撮り、“リアルさ”を追求した

「ドキュメンタリーのように思えた」。そんな感想がこの映画に多く寄せられている。監督を務めたロバン・カンピヨ氏は、なるべく作り込みすぎない作品にしようと、ワンテイクで撮れるように指揮していたという。監督本人も、同作の舞台と同時代にACT UPに参加しており、その記憶から当事者たちを被害者として描くのではなく、“闘うアクティビスト”として描くことにこだわった。だがその一方で、当時は白人ばかりであったACT UPに、劇中では黒人を登場させるなど「包括的さ」の願いを込めた脚色がされているとも話している。(参考:VICE)また、一般的につまらないとされる「議論を交わすシーン」を、同作の重要なポイントとして幾度も入れているところが監督の挑戦といえるだろう。メンバーが過激な抗議行動に出たあと、それが正しいことだったのかを振り返って話し合ったり、デモでのアプローチの仕方を提案しあったりなど、活動の意味を再確認しながら、具体的にどう活動を進めていくべきなのかを真剣に議論している様子が見られる。

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