#12 「日本を責めたいわけじゃない、でも知って欲しい」。日本にまつわる“韓国の思想”をアートで体現する女性|GOOD ART GALLERY
韓国と日本の歴史は、日本人が知りたがらない・話したがらない話題かもしれない。日本人として、日本が過去に行った非道な行いと向き合うのは容易なことではない。今回Be inspired!は韓国系アメリカ人であり、東洋(韓国)と西洋(アメリカ)の狭間で自身のアイデンティティを問い続けているあるアーティストに話をうかがった。彼女が自身のアイデンティティ探求のなかで出会ったのは「恨(ハン)」という韓国の思想。これには日本が大きく関係している。決して日本を責めることが目的ではなく、アメリカで育った彼女にとって「韓国人としての自分」を知るうえで重要だったというこの「ハン」を、彼女のアートを通して日本にも紹介したい。
2つの世界の狭間で
子どもの頃は、韓国人である自分を拒否しようとしていたという彼女。アメリカで育てられたというアイデンティティの方が韓国人であるということよりも大きかった。
ハングル語を話しても、韓国の伝統的な儀式に参加しても、韓国育ちの韓国人には認めてもらえなかったという。その自分の経験を元に、作品で韓国と他の国や文化(特に西洋文化)とのギャップを表現するようになったのだ。ミクストメディアと油絵をメインとする彼女は、様々な材料や手法を使って作品を制作している。