地球から「奪い、作り、捨てる」ビジネスモデルの終焉。“髪飾り”で環境問題について学ぶ場を作る女性
日常的に消費する物の「背景」が、着実に注目され始めている今日この頃。「私たちの世代は変革の瀬戸際にいて、私はその変革を後押しする人間になりたい」と話すのは、イギリス出身のビクトリア・ジョーンズだ。彼女は「やりがいを感じられるキャリア」を探し求めて、インドネシアのバリに移り住んだ。そこで目にしたのは豊かな森林と、その半分以上が商業的な目的で伐採されているという現実。それは地元の住民に悪影響を与えるだけではなく、地球の未来に関わるグローバルな環境問題だと感じたビクトリアは、自身が大好きだという“髪飾り”のブランド「SAYA Designs(サヤデザイン)」を起業する。髪飾りの製造・販売を通して彼女が目指すのは、「より多くの人に環境問題への興味を持ってもらうこと」。
ビクトリア・ジョーンズ
ビジュアルアートを仕事とする彼女は、オークション会社や教育機関など様々な業界で働いていた。そんななかで、人が「大切にしている物」に対して持つ強い思いについて考え始め、「物」の力を使って環境問題を考えるきっかけを作れるのではないかと思い立つ。
以前、彼女のボーイフレンドが中国に旅行に行ったときにお土産として買ってきてくれた伝統的なハンドクラフトの髪飾りに感激し、髪飾りは彼女にとって大切な物となった。