#002 「次世代に温泉を残すため」。1000ヶ所以上の温泉を巡った28歳の若女将が、“業界の問題”と闘う理由|EVERY DENIM山脇の「心を満たす47都道府県の旅」
水品さんはその配属先だった埼玉の温泉で施設を経営するノウハウを学んだそうだ。勤め先だった埼玉の温泉施設は、地元の人が気軽に入りに来れる良い雰囲気の場所でした。施設運営のコンサルティングや再生を手がける温泉道場で働く中で「お湯は良いけど経営がうまくいっていない施設をどうすれば立て直せるか」についてどんどん関心が湧いてきました。想いは徐々に膨らみ、「いつか自分で温泉を経営したい」という強い願いへと変わってゆく。そして温泉道場に勤めて2年半、男鹿の湯との出会いをきっかけに退職。2014年7月から経営不振により休業していた男鹿の湯を再建をすることを決意し、開業に向けてスタートを切った。男鹿の湯は、経営を引き継げさせてもらえそうな施設を調べている中で見つけました。前職で勤めていた埼玉の温泉と水質が似ていたから親近感もあってここに決めたんです。
男鹿の湯が位置する栃木県日光市の中三依という地域は、北の福島県会津地方と、南の日光市街を結ぶ交通の要衝だった。栃木県日光市にありながら、気候・風土は会津のよう。はっきりした四季の移り変わりや豊かな山々に恵まれ、最寄り駅である「中三依温泉駅」は浅草から電車で一本と、アクセスもしやすい。