#004 「何よりこれが一番自然な選択だった」。東京からUターン、宮崎で藍染師への道を歩む男の目指す場所|EVERY DENIM山脇の「心を満たす47都道府県の旅」
きっとうまくやっていけると自信を持つこと。すべて根拠のないことかもしれませんが、大きな決断をする上では大切な考えだと思っています。
二上さんが働く「綾の手紬染織工房」のように、手紡ぎ、手織り、手染めなど、手仕事を生業とする工房は、生産効率だけを追求すれば機械に頼るのが正解であるいまの業界において、これからどうしていくべきなのか。どこの工房も「自分たちの基準」を設けることが必要だと考えています。特に僕たちが関わるこの和装業界では、昔からずっと人から人へと受け継がれてきた技術や技能がある。その中で、何を大切に思い、どこを残していくのか。逆に何を残さなくていいのか、それをしっかりと考えないといけない。考えるためにはいま、僕たちの何が価値として世の中に提供できているのかをもう一度見つめ直す必要がある。
「人の手でつくられている」というのは、その手段でしか到達し得ないクオリティのモノを届けているからなのか、はたまた、希少性にこそ価値があるのか。
二上さんは僕と同じ1992年生まれ。同世代の人間がこれほどまでに国内の手仕事と向き合い、哲学を深めていっていることに、とても大きな刺激をもらいました。