15作目:クラウドファンディングを使い、難民キャンプで「移動するごちそう事業」を始めた女性たちのドキュメンタリー『ソフラ 〜夢をキッチンカーにのせて〜』|GOOD CINEMA PICKS
レバノンの首都ベイルートにある難民キャンプで暮らす女性たちが始めた、人気のケータリングサービスがある。その名もアラビア語でキッチンテーブルを意味する「Soufra」(ソフラ)で、キャッチコピーは「A Moving Feast」(移動するごちそう)。パレスチナ、シリア、イラク出身の彼女たちが心を込めて作る料理やお菓子は、どれも好評だ。今回のGOOD CINEMA PICKSでは、女性が就ける仕事が何もなかった同難民キャンプで、クラウドファンディングを用い、人と人とをつなぐ「食」を通じて自らの生活を向上させたソフラで働く女性たちを描いたドキュメンタリー映画『ソフラ〜夢をキッチンカーにのせて〜』を紹介したい。
クラウドファンディングに挑戦
自らの力で事業を始めるしか方法はなかったと説明するのが、これについては正しいだろう。マリアムは、自らがおかれた状況を改善しようと、まわりの女性たちの得意な料理を使ったケータリングサービスを思いつく。その事業には、厨房だけでなく配達するトラックが必要で、それらを購入する費用をまかなうために、現代的な資金調達の方法であるクラウドファンディングを使った。
ドルマ(ブドウの葉で米、挽肉、香味野菜などを包んだ料理で、料理中央アジアから北アフリカまで広く食べられている)