チェン・カイコー監督が日中友好アピール SMAP北京公演にも足を運んだことを告白
と経緯を語った。
監督は文化大革命の際に父親がスパイの疑いをかけられて自宅を破壊された経験を持つ。本作でも時代に呑みこまれていく父と子の姿が描かれるが、「決して“父と子”をテーマに撮ったつもりはありませんし、自分の過去の言葉があまりにも繰り返し蒸し返されるというのも怖いものだと思います」と断ったうえで、「この映画では程嬰の姿を通じて中国の伝統文化の良い部分を描いています。彼が立派なのは、遺児の命を救ったことではなく、その後も普通の子として育て、幸せな少年時代を送らせたこと。そこには“父性愛”を超越するものがあるのではないかと思います」と語った。
実は、趙氏の遺児・程勃を演じた子役は日本育ちの中国人少年。「東京でその子の母親と食事をする機会があり、天真爛漫で自由な姿を見て、演技経験がゼロだったにもかかわらず起用しました。(程嬰役の)グォ・ヨウも(仇役の)ワン・シュエチーも中国において名優ですが『(彼には)勝てない』と漏らしていました」と子役の名演を絶賛。
なお最後に登場する皇帝役の子役は監督自身の息子。「あまり言いたくありませんが…、まあまあだったんじゃないでしょうか?」と照れくさそうな表情を見せた。