「演じるときは動物をイメージする」『アイアン・スカイ』ユリア・ディーツの美の秘訣
レナーテの良い部分が全てなくなってしまっていて、こんな映画は観たくないわ』と言ったらティモも同調してくれて、『そうだね、このスクリプトはダメだ。フィンランドに帰ってやり直そう』と言ってくれたの。とても良かったと思ってるわ」。
実は、SF映画には全く興味を持っていなかったと暴露するユリアだが、そもそも自身が育った母国の歴史をブラックユーモアとしてなぞる本作への出演を決めたのには、母国では描けない、ぶっ飛びすぎたユーモアがあったから。彼女が演じる、ナチスのプロパガンダに心酔する人格者・レナーテの役づくりにも、枠に囚われない彼女の柔軟さが感じられる。
「ドイツの女優であるマレーネ・ディートリッヒ、マルコムX、キング牧師の研究はしたのよ。マレーネは人間性を持って国家社会主義思想と戦っていて、笑顔、ユーモア、慈悲を与えた。慈悲はとても重要な要素で、マザー・テレサのようだわ。
ドイツで育っているから、ナチスの歴史や学校でもちろん習っているし、ヒトラーがどんなひどいことをしてきたかは知ってるわ。準備段階で考えたのは、地球では女性らしさをいろんなものから学べるけど、月面ではそういったことができない。男性が強い世界だしね。