【インタビュー/前編】「NARUTO-ナルト-」原作者・岸本斉史が語る 忍の世界の設計図
ナルトが忍の世界を飛び回る中で、様々な歴史や因縁、この世界の“秘密”が明かされていく、ある種の謎解きの楽しさが「NARUTO-ナルト-」の魅力のひとつだが、加えて700回におよぶ連載の中で次々と登場した個性的で、それぞれに想いや葛藤を抱えたキャラクターたちの存在も、読者の心を鷲掴みにした。どのようにしてキャラクターが生まれるのか?岸本さんは「僕もいまだにキャラクターのことは分かんないんですよねぇ…(笑)」と首をひねる。
「何となく生まれる…というか、最初にポッと(ビジュアルの)イメージが湧いて、そいつが最初にひと言、喋る言葉を与えると、徐々に話し始めるんですよね。特に他のキャラクターと絡ませることで、だいぶ動きが出てくるのかなぁ…?よく言う『キャラクターが動き出して、物語が進んでいく』というのは、物語を作る作家であれば誰しもその感覚があると思います。キャラクターって、こっちの言うことを聞かない時は全く聞かないんですよ(笑)。こちらの都合よくは動いてくれないし、それを簡単に動かせばウソになるし、ブレちゃう。話が進み、キャラクターに厚みが出てくればさらにいろんなことが複雑に絡み合って、素直に動いてくれない。