【シネマ羅針盤】この春注目の劇場オープン、映画界への波及効果は?
90年代に劇場、配給会社、ファンが三位一体となって、大きなムーブメントを巻き起こした「ガーデンシネマらしさ」が復活すれば、いま以上に世界の秀作が日本公開されるチャンスも増えるはずだ。
一方、新宿・歌舞伎町に4月17日(金)、グランドオープンを迎えるのが「TOHOシネマズ新宿」だ。巨大なゴジラの頭部をランドマークにし、都内最大級となる12スクリーン、約2,300席を誇る同劇場のスケール感はまさに怪物級。現在、大手シネコンとして「新宿ピカデリー」と「新宿バルト9」がしのぎを削る新宿エリアの勢力図を塗り換えるのはもちろん、歌舞伎町全体も大きく“変化”させるターニングポイントになりそうだ。
同劇場では国内で初めて「MediaMation MX4D」と呼ばれるシステムを導入し、映画のシーンに連動した客席シートの振動に加えて、風、香り、ミスト、光、スモークなど11種類の特殊効果を体験できる「アトラクション型の映画鑑賞」を実現する。同じく国内初の最新型「IMAX」、「ドルビーアトモス」「ヴィヴ・オーディオ」といった最新の音響システムなども設備され、シネコンの最新型を提示。これにより、ライバル各社も新たな設備投資を進める予定で今後、映画館の未知なる“進化”を模索することとなる。
(text:Ryo Uchida)
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