【シネマモード】ファッションを楽しむマダム達から学ぶ“人生哲学”
今年2月には東京で写真展が開催され、注目を集めました。
彼女たちの、彼女たちによる、彼女たちだけのファッションが話題になっているのは、そのクリエイティビティとイマジネーションたっぷりのスタイルのせいだけではありません。そこに、彼女たちの人生や信念が色濃く映し出されているから。
映画だって、単にファッションの話だけしているわけではありません。見えてくるのは、毎日、おしゃれをし続ける理由、心意気、そして生き様。人生哲学さえも垣間見えてくるのです。どんなことであっても、何かにこだわりを持つ人を注意深く観察し、話を聞いてみると、裏にはドラマがあるものです。ホロコーストを生き抜いた両親が移住したイスラエルで生まれたジポラ。
40歳でパーキンソン病を発症した夫の代わりに一家を支えるためにハースト社に勤めたジョイス。ほとんど視覚を失ってしまった元ダンサーのジャッキーら、その人生は決して楽ばかりではないけれど、酸いも甘いも経験した彼女たちだからこそ、客観的に自分の女の部分を認め、若づくりするのではなく、自分らしい魅力的なおしゃれを完成させているのです。
それにしても、この映画が人を幸せにするのは、思いきり好きなファッションを楽しめるその場所が、自由で平和だということだからかもしれません。