オダギリジョー、菊地凛子と“父”役で共演「実はとても面白い人」『658km、陽子の旅』
作品の冒頭、青森へと向かう高速での車中で、いつの間にか、陽子の横に座る父として登場し、「何、死んじゃっているのよ」と言われても陽子を見て微笑みをみせる。
その後、サービスエリアでは、ひっそりと置かれた顔ハメ看板で「渋滞になるとすぐ苛々して怒ったよね。うるせぇって」と言われると、相変わらず笑っているが、若干気まずそうに看板の穴から顔を出している。
別のサービスエリアでは、「お父さん、一回私のこと諦めたよね」と呟く陽子の隣にいて煙草をふかす姿も。その表情は、無表情に近い。東京から青森への道中、その時々の表情は陽子の心情に寄り添うかのようであり、父・昭政が陽子に葬儀に参列してほしい願いのようにも見える。やがて物語が終盤へと向かう中、父はどんな佇まいで、どんな表情を陽子に見せることになるのか。
オダギリさんは、今回の自分の役について「菊地さんのお父さん役と最初に聞いて、台本読む前はどういうこと? と。年も近いし、どうするんだろうと思ったが、台本を読んで、菊地さんが最後に見たお父さんのイメージだということが理解できてようやくオファーをいただいた意味がわかった。自分でも、どう映るか、どう成立しているかが楽しみ」