くらし情報『鉄道トリビア (273) 東海道新幹線開業時、運転士は走行中に交替した』

2014年10月4日 08:00

鉄道トリビア (273) 東海道新幹線開業時、運転士は走行中に交替した

万が一、交替作業中に目を離しても大丈夫だろう」だったという。

じつは、天竜川橋りょうでの交替については、誰が宣言することもなく、自然に決まっていたようだ。なぜなら新幹線開業前、東海道本線の在来線特急「こだま」も、鉄橋で運転士を交替していたから。在来線特急「こだま」の場合、天竜川ではなく安倍川鉄橋だったという。東海道新幹線の運転士交替は、東海道本線の伝統を受け継いだだけだった。じつにシンプルな理由だ。

それではなぜ、在来線特急「こだま」は鉄橋で運転士を交替したのだろうか? 前述の「見通しの良さ」「近隣からの障害」だけではなく、在来線特急ならではの理由があった。それは、「これだけの長距離で踏切のない区間が他になかった」から。
高速で走る電車特急は、運転士が交替する一瞬だけでも、かなりの距離を走行する。鉄橋以外の場所だと踏切があるから、ここで目を離してはいけない。そこで鉄橋の上が選ばれた。

ちなみに在来線特急時代の「こだま」は、東京駅を出発すると次の停車駅は横浜駅。そこから名古屋駅までノンストップで、次が京都駅、そして大阪駅に到着していた。所要時間は6時間50分。最高速度は時速110kmだったという。

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