2014年10月21日 14:10
謎に包まれた米空軍の宇宙往還機X-37B - その虚構と真実 (1) 米空軍の無人スペースシャトル「X-37B」とは?
2014年10月17日、米国カリフォルニア州にあるヴァンデンバーグ空軍基地に、米空軍の無人宇宙往還機「X-37B」が着陸した。OTV-3と名付けられたこのミッションは、2012年12月11日にロケットで打ち上げられ、実に674日もの間、宇宙空間に滞在し続けた。
X-37Bのミッションは今回で3回目となったが、宇宙空間でどのようなことを行っているのか、その詳細は謎に包まれている。
本稿では、X-37Bの概要から、開発と運用の歴史、またその推測されるミッション内容について解説するとともに、その目的を巡り、巷にあふれる様々な憶測や噂について検証したい。
○X-37Bの概要
X-37Bは米空軍が運用する無人の宇宙往還機で、米国の航空宇宙大手ボーイングが製造した。また開発は、同社の先端技術の研究開発チームであるファントム・ワークスが手がけている。
よく「米空軍のスペースシャトル」や「小型スペースシャトル」とも呼ばれ、確かに見た目はスペースシャトルのオービターを小さくしたように見え、またオービターと同じようにに、X-37Bもメンテナンスをしたうえで、繰り返し再使用ができるように造られている。