2014年10月21日 16:48
POLARBEAR実験グループ、重力レンズ効果による偏光パターンの測定に成功
高エネルギー加速器研究機構(KEK)、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(カブリIPMU)、カリフォルニア大学バークレー校、同サンディエゴ校などの研究者で構成されるPOLARBEAR実験グループ10月21日、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の光の振動の向き(偏光)の観測結果のみに基づいて、重力レンズ効果による偏光パターンを測定することに成功したと発表した。
これらの成果の詳細は、7月9日付の「Physical Review Letters」ならびに、10月20日付の「Astrophysical Journal」などに掲載されている。
CMBは、宇宙のどの方向からも一様に飛来している電磁波で、ビッグバン直後の約138億年前に発せられたことが知られている観測可能な「宇宙最古の光」。これまでの研究から、ビッグバンによる宇宙誕生から38万年後の「宇宙の晴れ上がり」において、宇宙の温度は約3000K(2700℃)であったことが推測されているほか、現在の宇宙の温度は約2.7K(-270℃)であり、空間の断熱的な膨張、すなわち宇宙が時間とともに大きくなったことを示すものとされている。