2014年10月25日 11:00
何もない空中に立体映像が! - 未来館が空中描画装置の公開デモを実施
そこで、空に文字や矢印などを書いて避難誘導をしたり災害情報を提示したりすればいいだろうという発想になったのだという。
とはいっても、これまでに水蒸気を散布してその霧をスクリーンにするといった投影技術はあるが、完全にスクリーンレスの空中に文字などを描く技術は開発されておらず、前例のない研究であった。しかし2002年には国際特許を申請して2005年に取得。そして2012年には3mの高さに1m角の画像の表示に成功したのである。
今回の技術における最大の特徴は、実際に何もない空間に影像を描いているという点だ。空中に描画する技術というと、画面から飛び出して見える3D映像が思い浮かぶ人も多いことだろう。映画や一部の液晶テレビなどで実現されているそれらの3D映像技術は方式こそさまざまであるが、基本的にはだいぶ以前からある赤青メガネの時代から変わっておらず、左右の眼の視差を利用して擬似的に立体像に見せているものである。基本は、スクリーンに2次元的に投影されている映像なわけで、決して空中に描かれているわけではないのだ。
それに対して今回の空中描画装置は前述したように、実際にある広さの空間内に実際に描画するというものであり、視差を利用して立体的に見せている技術とは異なる。