富士フイルム、ワクチン受託製造市場に米国企業の買収により参入
FDBUは10月22日、Kalonの持分所有者であるテキサス州およびテキサスA&M大学と、Kalonの持分譲渡に関する契約を締結した。今後、数か月以内に決済手続きを行い、Kalonの全持分の49%を取得する。また、Kalonの取締役の過半数を富士フイルムグループから任命する。
今後、FDBUは同契約に規定されたマイルストーンに沿って持分比率を100%まで引き上げていくとしている。
Kalonは、テキサスA&M大学によって設立された、高度な技術と最先端の設備を持つバイオ医薬品CMO会社で、米国保健福祉省傘下の米国生物医学先端研究開発局(BARDA)から、バイオテロや新型インフルエンザのパンデミックなどの非常時に公共の健康を守るための医療手段を開発・製造する重要拠点「Center For Innovation In Advanced Development and Manufacturing(CIADM)」の1つとして指定されている。また、テキサス州はテキサス新興技術基金(Texas Emerging Technology Fund)を通して、本拠点の建設・運営を援助している。
技術面において、Kalonはワクチンを動物細胞培養法で製造することに強みを持っている。
ワクチン製造に必要なウイルスを製造工程内にとどめる、世界トップレベルの高度な封じ込め技術を保有しており、新型インフルエンザウイルスやエボラウイルス、炭疽菌などに対するワクチンを安全かつ安定的に製造することができる。さらに、ウイルスの高度な封じ込めが可能な、小型で可動式のモバイルクリーンルームを完備している。このモバイルクリーンルームを同社のワクチン製造施設である「National Center for Therapeutics Manufacturing」に、最大20基まで設置することが可能という。この設備では、多品種のワクチンを同時並行で製造することができる。さらに、増設が容易なため、顧客からの増産要請にも柔軟に対応できる。なお、同クリーンルームは、動物細胞培養法によるワクチンはもちろんのこと、抗体医薬品を含むあらゆる種類のバイオ医薬品の製造も可能で、今後高まるバイオ医薬品の多品種少量生産ニーズに応えることができるという。
今後、富士フイルムは、テキサス州行政庁およびテキサスA&M大学のサポートも得ながら、ワクチン分野への取り組みを強化していくとコメントしている。
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