2014年10月29日 14:49
英ARMのIoT向け新OS「mbed OS」とは何か? 本格的なIoT時代の到来を促すいくつかのポイント
また、対象がmbed OSとなることで、実機が登場する以前から開発が可能になり、自社開発コードのライブラリ化やコードの再利用が可能になる。それ以外に、複数の機器の開発でmbed OSという同一のプラットフォームを使うことになるため、開発者の技能の向上やノウハウの蓄積が可能といったメリットもある。
ARM社のCortex-Mは、組み込み向けのプロセッサで、ARMのThumb/Thumb-2命令セット(短縮命令と呼ばれる命令長の短い簡易な命令セット。ARM社のプロセッサアーキテクチャ定義であるARMv6/v7の一部となっている)を使うプロセッサだ。超低消費電力、極小フットプリントのCortex-M0から組み込み系としては性能が高いM7まで6種のプロセッサコアがある。最上位となる組み込み系プロセッサCortex-M7は、Techcon直前に発表されたものだ。
mbed OSの特徴の1つは、IoT用にさまざまな通信デバイス、通信プロトコル、通信暗号化などの機能をアプリケーションに提供すること。IoTでは、必ず通信相手があり、比較的大規模なものでは、無線、有線ネットワークなどによりTCP/IPなどで、インターネット側のサービスと直接通信が可能であり、小規模なものでは、Bluetoothなどの低消費電力な通信や近距離通信を使ってスマートフォンやPC、タブレットなどに接続、これらの上で動作するアプリケーションと対になってインターネット接続を利用する。