2014年10月29日 14:49
英ARMのIoT向け新OS「mbed OS」とは何か? 本格的なIoT時代の到来を促すいくつかのポイント
これに比べて、ある程度利用実績のあるオペレーティングシステムは、十分にこなれた通信プログラムを持っており、これを使うことで、その部分の開発やデバッグを省略できる。同様にシステムの初期化やデバイスの制御などもオペレーティングシステム側に組み込まれたプログラムコードを使うことで、開発のコストを低減できる。
こうした通信を行う組み込み系では、Linuxがつかわれることも少なくないが、もともと組み込み系に比べるとPCなどの大規模なハードウェア向けに作られたLinuxは、組み込み系で使われる小規模なデバイスでは、メモリサイズやハードウェアの機能などで利用が困難な場合もある。たとえば、テレビやレコーダーといった家電製品には搭載できても、歩数計のような小規模で低消費電力な機器には搭載困難(搭載するとコストが大きくなってしまう)なことがある。mbed OSは、こうしたLinuxが利用困難な規模のシステムでも動作できるため、比較的低価格な機器のIoT化に寄与する可能性がある。
IoTとは、前述のように「通信」が可能な組み込み系デバイスであり、mbed OSにより、これまでよりも容易にIoTデバイスを開発することが可能になる。