2014年10月30日 18:38
三菱マテリアル、低摩擦性の自動車コネクタ端子用めっきを開発
三菱マテリアルは10月29日、連結子会社である三菱伸銅と共同で、電気的な接続信頼性を維持しながら端子挿入時の摩擦抵抗を低減した、自動車コネクタ端子用めっき「PIC(Precise Interface Control)めっき」を開発したと発表した。
近年、自動車電装化の進展にともない、電装部品におけるコネクタ類も小型化・多極化が進んでいる。小型化・多極化した電装部品のコネクタでは、コネクタ端子の接触面積が増大することで、コネクタ端子挿入時の摩擦抵抗が増大する。一方、コネクタ端子の挿入作業が主に手作業であることから、端子挿入時の摩擦抵抗が増大すると接続作業性が低下してしまうため、低摩擦性のコネクタ端子が求められている。
また、コネクタ端子用の銅合金では、電気的な接続信頼性を高めるためにリフローすずめっきの表面処理を施すことが一般的である。しかし、表面のすずめっき層が軟らかいことから、端子挿入時の摩擦抵抗が増大してしまうという課題がある。この課題に対して、低摩擦性のすずめっきがあり、銅合金層とすずめっき層の界面に生じる銅すず合金を、表面に露出させることで摩擦抵抗を低減しているが、表面の純すず成分が少ないため電気的な接続信頼性が低下するという欠点がある。