歯のホワイトニングに効く"メタリン酸ナトリウム"ってどんなもの?

かつては芸能人など人前に出る仕事に携わる人向けに行われている印象のあった、歯のホワイトニング。ひと昔前に“芸能人は歯が命”というCMのキャッチフレーズが大流行して以降、一般の人々の間でも歯磨き粉で家庭で行う気軽な歯のホワイトニングが浸透した。今では“美容”の一環としてクリニックに通い、気軽に専門家による施術を受ける人も増えているなど、その意識は年々変化してきている。
そんな歯磨き粉やガムなどホワイトニング向けの一般商品で最近よく目にするのが「メタリン酸ナトリウム」と呼ばれる成分。一般消費者には聞き慣れないものだが、歯科医として実際にホワイトニングの施術に携わる北海道大学歯科診療センターの歯冠修復科・審美歯科専門外来担当の川本千春先生に、今回、この「メタリン酸ナトリウム」という成分について解説してもらった。
まずは、成分の科学的な説明から。メタリン酸ナトリウムを分子式で表すと(NaPO3 )nとなり、主な作用としては、金属イオン封鎖作用、緩衝作用、解膠作用、洗浄作用が挙げられ、食品添加物、医薬品、医薬部外品に利用されており、その安全性も担保されているものだという。
「食品添加物としては、食品の保水性を高める、形状を保つ、食感を良くする等の目的で加えられるほか、変色を防止してくれる作用があります。