2014年11月13日 15:40
まるで"ミニはやぶさ"……東大の超小型探査機「PROCYON」が報道公開
I-COUPSのRCSはそのためのもので、イオンエンジンの推進剤であるキセノンをプラズマ化せず、高圧ガスとしてそのままスラスタから噴射する仕組みだ。PROCYONの機体の周囲8カ所にコールドガスジェットのスラスタが搭載されており、3軸制御が可能となっている。
またイオンエンジンの推力が小さいことは前に述べた通りだが、このRCSの推力はイオンエンジンよりも大きいので、すぐに動きたい小惑星近傍などでの軌道制御にも利用できる。RCSの比推力は24.5秒と、イオンエンジンの1,000秒からは2桁も落ちてしまうものの、推力は逆に300μNから22mNへと、70倍以上もアップする。
「はやぶさ」シリーズの場合、RCSには2液式の化学推進系を別途搭載していたが、I-COUPSは推進系をキセノンで統合化することで、合計で約10kgという軽量化を実現している。なお、キセノンの搭載量はそのうちの2.5kgだが、半分以上はコールドガスジェットで使われ、イオンエンジンで利用するのは3~4割程度になる見込みだという。
○小惑星探査のための様々な機能
PROCYONは11月30日に打ち上げられた後、12月末にイオンエンジンを始動。