2014年12月1日 09:30
東北大、チタン酸ストロンチウム基板の表面電子状態を解明
東北大学は11月27日、超高分解能顕微鏡観察と第一原理計算の併用により、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)単結晶表面の電子状態の解明に成功し、電子密度の空間分布がエネルギーに依存して変化していることを明らかにしたと発表した。
同成果は、同大 原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の濱田幾太郎助教(現 物質・材料研究機構 MANA研究者)、一杉太郎准教授らによるもの。日本学術振興会の清水亮太特別研究員と共同で行われた。詳細は、米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載された。
チタン酸ストロンチウムをはじめとした金属酸化物は、微細加工の限界に達しつつあるシリコンに代わるエレクトロニクス素子の基幹物質として注目されている。しかし、酸化物の表面構造を原子レベルで制御することが極めて困難なため、表面の原子配列と電子状態の理解が十分とはいえず、高性能化や実用化への障害となっていた。
研究グループは、これまでの研究によって、試料の調製方法を最適化することにより、原子レベルで制御されたチタン酸ストロンチウム基板表面を作製することに成功している。