2014年12月12日 19:17
ティアック「HA-P90SD」を試し聴き - ハイレゾプレーヤー機能を内蔵したポータブルアンプ
軸足はあくまでポータブルアンプ/USB-DACに置きつつ、利便性を高めるために再生機能を付加したというスタンスの製品だからだ。
実際、プレーヤーとしての機能はごくシンプル。アーティスト/アルバム別再生やプレイリスト、シャッフル再生には対応するが、表示はモノクロでアルバムアートワークを表示するようなUIの華やかさはない。レートを付けたり歌詞を表示したりする機能もない。片手で操作できるマルチウェイスイッチは使いやすいが、本機の売りではない。
というのも、本分たる"音"が強い印象を残すからだ。リーズナブルな価格帯ながら高い描写力を持つ開放型ヘッドホン「AKG K612 PRO」と組み合わせ、内蔵プレーヤーでmicroSDカードの音源を試聴したところ、その臨場感に息を飲んだ。Mathias Landaeus Trioの「Opening」(5.6MHz DSD)は、とにかくドラムのスティックワークの緻密さが印象に残る。
情報量が多く、微細な音まで忠実に再現されているからか、スタジオの残響音も生々しく聞こえる。
PCM音源も好印象。ファームウェアが開発途上版ということもあってか、FLAC再生時には散発的にノイズが発生していたが、88.2kHz/24bitおよび96kHz/24bitのWAVはクリアな音を愉しめた。