2014年12月19日 11:17
中国の新型ロケット「快舟」 - その謎に包まれた正体を追う (1) 彗星の如く現れた快舟ロケットと快舟一号
だが予想に反し、早くも10月には快舟一号が撮影した画像が一般に公開された。また2014年3月27日には、この月の8日に消息不明となったマレーシア航空370便の捜索のため、消息を絶ったと思われる海域を撮影した画像が公開されている。
画像は電子光学センサ(デジタルカメラ)によって撮影されたもので、分解能は1mほどであった。この数値は、昨今の地球観測衛星の性能と比べると高いとはいえないが、災害観測の場合、ある特定の地域の詳細な画像を撮影するのであれば航空写真の方が手っ取り早く、逆に衛星は広範囲を撮影する方が適しているため、そもそもそれほど高い分解能は必要ない。
画像が公開されたことで、中国の発表通り、災害観測を目的とした衛星であることが証明された。もちろん、だからといって軍事目的という側面を持っていることを否定するものではない。結局は衛星の画像をどう使うかという話であり、中国にとっては、むしろ軍事目的に使わない方が妙な話だ。
快舟一号の開発はハルビン工業大学が担当したとされ、同大学のWebサイトでは、快舟一号の打ち上げ成功を祝う記事が大々的に掲載された。
もっとも、衛星の写真や詳細なスペックは明かされていない。