臼井教授らは、この中間的な水素同位体が、液体の水の循環が活発であった約40億年前の水の水素同位体比を反映していることから、当時の水が氷か含水鉱物として火星地殻内部に取り込まれたというモデルを提示した。さらに、地下に取り込まれた取り込まれた水の貯蔵量は当時の海水量に相当するという計算結果も示した。
今回の研究で、現在でも火星には大量の水素が氷あるいは含水鉱物として地下に存在していることが示され、地下の水素を利用した火星生命が存在している可能性が示唆されたという。研究グループは、今後、地下水素の存在地域や存在量を厳密に特定するには、火星探査によるグローバルなリモートセンシング観測が必要となるとしている。
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