足元では軟調ながら、引き続き注目されるメキシコ・ペソ
メキシコは世界第10位の産油国(日量287.5万バレル、2013年)であり、石油関連収入が連邦政府の歳入の約3割を占めます。ただし、政府は今年、2.28億バレル相当の原油を1バレル=76.40米ドルで売る権利(プット・オプション)を確保しており、原油価格の下落に伴なう歳入への影響を抑制できるとしています。また、産油国ではあるものの、同国の場合、石油の純輸出額はGDP比2%強にとどまり、価格が大きく下振れしても、同じくGDP比2%強の経常赤字への影響は限定的と考えられます。なお、産業構成比で鉱業は7%強に過ぎず、原油市況の下落は、非鉱業部門に燃料価格の低下などの恩恵をもたらし、景気に寄与すると考えられます。さらに、同国の輸出は、国別では米国向けが79%弱、品目別では工業製品・部品が83%弱と、結びつきの強い米国の景気拡大からの恩恵が見込まれます。メキシコのGDP成長率は低迷気味でしたが、2014年10-12月期以降は前年同期比3%を超える水準が続くと予想されています。
今年の半ば以降、米国で利上げが見込まれており、新興国への投資資金の流入ペースの鈍化や資金流出の可能性が懸念されています。
ただし、メキシコの場合、米国景気に牽引される形で成長の加速が見込まれるだけでなく、米国に追随して利上げが予想されています。さらに、経常収支は赤字ながら、他の新興大国ほど大幅ではないほか、豊富な外貨準備や信頼性の高い金融政策に加え、今年から実行段階に移るエネルギー改革などの大胆な構造改革により、潜在成長率の向上が見込まれていることなどから、景気持ち直しや原油市況の落ち着きが確認されれば、メキシコとともに通貨ペソは今後、投資家の注目を集めるものと期待されます。
(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)
(2015年1月13日 日興アセットマネジメント作成)
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