2015年2月3日 08:30
今さら聞けない「ロードバランサとSDNの切っても切れない関係」 (3) SDNとL4-7 サービス、その密接な関係を紐解く
このような説明を聞いただけでは、あまり明確なイメージがわかない方も多いかもしれない。そこで今回は、実際のシステム構築の例を挙げながら、SDNとそこで使われるL4-7の技術がどのような位置を占めるのか、より具体的に説明してみたい。
○オーケストレータとADCの間を取り持つコントローラが存在
例えば、VDI(仮想デスクトップ)のシステムを構築するとしよう。以前であれば、まずはユーザー数から必要な仮想デスクトップ数を算出し、それに見合ったサーバやストレージ、ネットワークのスペックを見積もり、機器をそれぞれ個別に購入し、セットアップする必要があった。しかし本連載の第1回で紹介したように、クラウド時代におけるITの調達・利用スタイルでは、管理者は管理ポータルGUIを通じオーケストレータに対してVDIというアプリケーションの種別とその規模など最低限のパラメータさえ与えてやれば、あとはクラウド基盤がサーバやストレージ、ネットワークのリソースを自動的に調達して、最適な形にセットアップしてくれる世界へと向かっている。このあたりの仕組みについて、もう少し詳しく見てみよう。オーケストレータは管理者がポリシーで指定したVDIシステムを構築するのにふさわしいサーバ、ストレージ、ネットワークのリソースを、リソースプールから自動的に取得する。