くらし情報『日立、世界最高級分解能43pmの原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡を開発』

2015年2月19日 16:35

日立、世界最高級分解能43pmの原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡を開発

をかけて電子放出を開始後、時間とともに放出電子電流が減少していくため、1日に1~2回は電子の引き出し電圧を調整しながら使用する必要があった。しかし、引き出し電圧を調整するたびに電子ビームの軌道がわずかに変化するため、最適条件で球面収差補正器の効果を得ることが難しくなる。今回、電子銃内部の電子が放出される部分の真空度を、従来比約100倍となる3×10-10パスカルという極高真空にする技術を開発し、10時間以上にわたり、無調整で電子ビームを安定して放出できるようにした。これによって、1日の観察の間、球面収差補正器の条件を再調整することなく最良の性能を維持できるようになった。

この他、原子レベルの観察を行うためには、電子ビームや観察する試料に対する振動、音響、磁場などの外部からの乱れ要因を、極限まで抑える必要がある。これらの乱れ要因を抑制するために、電子顕微鏡専用の頑強な建屋を建設し、音響に対しては建屋室内に吸音材の貼り付け、および精密な室温制御を行い、さらに、磁場に対しては、磁気シールドの機能を有するパーマロイという特殊な合金で電子顕微鏡装置の周囲を覆ったという。

なお、同装置の性能を評価するため、どのくらい微細な構造をカメラに伝達できるかを示す情報伝達性能を、タングステンの単結晶を試料に用いて検証した。

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