くらし情報『東北大、超硬物質ダイヤモンドと窒化ホウ素の接合界面の原子構造を特定』

2015年2月20日 09:00

東北大、超硬物質ダイヤモンドと窒化ホウ素の接合界面の原子構造を特定

そして、c-BN/ダイヤモンド境界面を、ダイヤモンドの土台(母相)の上に、高温高圧下でc-BNの単結晶を成長させる(温度勾配法によるヘテロエピタキシャル成長)というNIMS独自の特殊な方法で作製した。さらに、この得られたサンプルの界面を超高分解能走査透過型電子顕微鏡法により観察を行ったところ、理論計算で予測された通り、ダイヤモンドの炭素原子とc-BNのホウ素原子が結合している様子が観察された。

また、金属の界面では通常転位同士が結びつき、複雑な転位網を形成するが、今回の研究では第一原理計算により六角形の転位ループが独立して存在した方がエネルギー的に安定であることが示唆された。そこで電子顕微鏡によりさらに詳しく観察した結果、六角形構造が観察され、理論的に予測された転位ループの分離が実験的にも示された。また、第一原理によるさらなる探索により、この境界面上にはc-BNやダイヤモンド単一では持ちえない1次元電気伝導性が発現しうることも明らかになったという。

今後、今回の研究を起点にし、このような欠陥構造の形成を制御することで、デバイス材料の特性向上や格子欠陥構造を活用した新規デバイスの設計、新機能材料の研究開発につながることが期待されるとコメントしている。

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