です。日本企業では給料の改定などが行なわれる新年度のはじまり、すなわち春に向けて労使交渉が進められることが多いことから、春闘と呼ばれます。
春闘では、まず労働者側を代表する連合(日本労働組合総連合会)と、経営者側を代表する経団連(日本経済団体連合会)が、今年の労使交渉に対する姿勢や方針をそれぞれ示します。
それらに基づき、景気の良い産業や、賃上げが見込まれる大企業の労働組合を中心に、要求書を提出し、3月中旬に経営者側の集中回答が行なわれます。具体的には、要求されたベアを全面的に受け入れる満額回答や、一部引き上げなどが決定されます。中小企業の労使交渉は、大手企業の結果を踏まえて進められることが多く、3月よりも遅い時期に賃金改定が決まる傾向があります。
政府は、企業収益を家計にも回し、新たな消費を生み出す「経済の好循環」のためには、賃上げが重要と考えており、法人税率を引き下げた分を賃上げに回すように促しています。こうしたなか、今年の春闘では、連合が強気の要求姿勢を示しており、経団連もベアを含めた賃上げを前向きに検討するように各企業に求めています。
こうした後押しを受け、市場では昨年を上回る賃上げが期待されており、今年の春闘の行方に注目が集まっています。