就活や仕事、人生に立ちすくむ全ての人に効く"劇薬"エッセイ
せっかく大学に入ったのに、キラキラしたキャンパスライフに馴染めず仮面浪人。予備校の学費を貯めるために六本木でホステスをしつつも、誰からも女として相手にされずスルーされる。そして就職活動をパニック障害でやめ、その後はアルバイトさえ満足にこなせずにクビになる。
これだけ読んだら、「私、こんなに波乱万丈な人生を送ってないし…」と引いてしまうかもしれない。でも、胸に手を当てて考えてほしい。"自分と違う人を下に見てしまう"、"他人の目が異常に気になる"、"人との距離のとり方がわからない"などの「コミュニケーションのつまづき」は、誰しも経験があることではないか。
彼女の問題は、特別な不幸を背負った人だけがぶち当たるものではなく、誰でもが「こういうことってあるよね」と共感できる、等身大の葛藤だ。本書で彼女は自分の中の汚い部分をさらけ出し、目をそむけずに「こんなん出ましたけど!」と見せつける。
これまで何かにつまずいた経験のある人、もしくは悩みの只中にある人にとってはグサグサ来る言葉が満載。共感すること間違いなし、である。○進路や仕事に悩む人の、勇気になる1冊
けれどもこの本が、最近巷に溢れ切った単なる"こじらせ女子"のあるあるエッセイと明確に違うところは、彼女が問題に直面するたびに、思いもしなかった方法で解決策を見出し、そして成長してゆくところだ。