花粉症ではない人もある日突然、花粉症になる可能性があるって本当?
ここからくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの諸症状が出現すると、「花粉症を発症した」とされるが、発症するのは感作された人の3~5割とされている。
感作から発症に至るには、抗原すなわちスギ花粉などへの暴露量がある一定値を超えることが引き金となるが、その"閾値"に達するのがいつなのかを知ることはできない。だから、これまで発症していないからといって、「今後も発症しない」という保証はどこにもない。
厚生労働省も「大量の花粉に出会うと、体が花粉に対する抗体を産生する可能性が高くなります。スギに対する抗体をたくさん産生すると、何らかのきっかけでスギ花粉症を発症しやすくなります」と、注意を呼びかけている。
日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学分野の大久保公裕教授によると、一度感作を経てアレルギー反応が出てしまうと、その状態が"リセット"されることは基本的にはないという。すなわち、生涯花粉症と付き合っていかないといけなくなるということだ。
国民の4人に1人が苦しんでいるとされ、「国民病」とも呼ばれる花粉症。
発症を防ぐための一番の予防法は、花粉を体内に取り込まないことだ。たとえ今は花粉症ではない人でも、花粉シーズンにはスギやヒノキなどの林にむやみに近づかず、マスクやめがねをした方が賢明だろう。
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