新生活は白い歯で!- 「メタリン酸ナトリウム」活用術
次にチューインガムとして応用する上で、ガム成分であるキシリトール・マルチトールといった糖アルコール、および酸味料であるクエン酸と、リン酸ナトリウムとの相互作用、なかでも特にステイン除去への阻害の有無を検証した。さらに、これらの成分を加えて製造したチューインガム製品の抽出液を用いて、ステイン除去の効果を比較した。
また、研究の際に歯の検体として、歯の表面を覆うエナメル質の主成分であるハイドロキシアパタイトのディスクを使用。試験管試験のため、口腔内の条件を模するようすべての実験を唾液存在下で実施している。
その結果、リン酸ナトリウム類での評価では、リン酸ナトリウムにはステイン除去効果がみられなかったものの、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムで同等のステイン除去効果が見られた。次に、チューインガムに使用される成分のうち、マルチトール・キシリトールの糖アルコールにはメタリン酸ナトリウムのステイン除去効果への影響が見られなかった。一方で、クエン酸はステイン除去効果を阻害する結果が示された。さらに、メタリン酸ナトリウム配合ガム抽出液、メタリン酸ナトリウム&クエン酸配合ガム抽出液への浸漬では、唾液のみ、およびメタリン酸ナトリウムを含まないが他の組成が同じ対照ガム抽出液への浸漬と比較して高いステイン除去効果が示された。