二人にひとりの20代の社会人が将来購入したいと考えているものとは?
こうした結果を見る限り、現代の20代社会人のお金に対する願望は割と現実的であることが見て取れる。最多となった「高級マンション」というのは不動産という比較的実用的な買い物とも言える。
こうした20代社会人の堅実的な消費志向の背景にはやはり将来に対する不安や現実的な問題があるようだ。お金に関する将来の悩みを訊ねた質問では、「年金がもらえるかどうか」が69.3%と圧倒多数を占める。その他、「両親の介護費」(39.3%)、「子どもの養育費」(39%)、「家のローン」(25.3%)といった回答が続き、目の前の道楽よりも将来に対する備えという現実を意識している20代社会人が多いことが垣間見える。
かつて80年代のバブルの時代には、富裕層のシンボリックな象徴でもあった高級マンションや高級自動車、高級腕時計、自家用ジェット・クルーザーといった代物。今回の調査でも明らかなように、年収500万円以下が9割以上を占める20代社会人では、すぐに買うことは難しい商品。しかし、30代、40代で仮に右肩上がりに収入が増えたとしても、今度は子どもの養育費や両親の介護費用、老後への備えといった問題に直面し、現実的にこうしたいわゆる贅沢品への志向は向かないようだ。