新しいMacBookから見える「振動」新時代 - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」
●押した感覚を振動で「まねる」技術の可能性
ここからは筆者の想像である。
今のスマートフォンやタブレットのキーボードにおける難点は、物理的なキーボードと違い「押した感触」がないことだ。ディスプレイの一部が液体で盛り上がる機構などを提案するベンチャー企業もあったが、採用例はない。しかし、今回アップルが使った「振動で押したと感じさせる」技術が使われるとしたらどうだろう?
物理的なキーボードと同じレベルになる、ことはないだろうが、今までのソフトウエア・キーボードより、入力位置がわかりやすい製品が生まれる可能性がある。
もちろん、思いつく難点はいくつもある。キーを1つ1つ判別できるほど、振動する位置を正確に制御するのは難しい。だから、かなり「おおまか」な感触になるはずだ。また、スマートフォンに求められる振動機能との同居がどうなるかもわからない。
だから、上記の「想像」がまったく的外れである可能性も否定はしない。
しかし、ここで重要なのは、いままで「操作にとって重要」と思われていた感覚が、実際には別の感覚で代替可能であり、そうした要素を加味すれば、これまで当たり前とされてきた制限を乗り越えていくことが可能かもしれない、という点である。