iPhoneのカメラが大きく進化するかも、米Appleが買収したLinXの技術から考える
アレイカメラ方式のもう1つの問題として、処理加工のためにプロセッサパワーを非常に多く消費するという特徴が挙げられる。写真1枚撮影するだけで大量のデータが取得され、これを一度に処理しないといけないため、特にGPUに大きな負荷をかける。前出Pelicanのケースでは、デモ機に用いていたSnapdragon 805ではすでに重い状態で、商用化にはこれより1~2世代後のプロセッサが必要だと感じたレベルだった。おそらく現行で市場に存在するハイエンドのスマートフォンでも重い処理で、LinXにおいても同種の制限が存在するとすれば、実際にApple製品に搭載されるのは早くて2016年か2017年以降となると予想する。
○AppleはLinXの技術をどのように製品に組み込むか
現時点で買収済みのPrimeSenseの技術を採用した製品が市場投入されていない状態だが、Appleは近い将来にLinXの技術を採用した製品を市場投入してくることだろう。PrimeSenseはモバイル端末というよりもむしろ、デスクトップ環境やリビングルームでの「3Dモーションセンシング」に活用してくると考えられ、例えば今年後半にもAppleによる製品投入が噂されている「新型Apple TV」