iPhoneのカメラが大きく進化するかも、米Appleが買収したLinXの技術から考える
照射距離や時間を増やせば対応可能だが、モバイル端末ではバッテリ消費やモジュールサイズの問題もあり難しい。
一方でLinXやPelicanが採用する方式は「複数の格子(Array)状のイメージセンサーを組み合わせて画像を同時撮影」する手法で3Dカメラの「深度情報取得」を実現しており、IRにまつわる問題を解決できるほか、屋内外のどちらでも比較的高品質な画像を取得可能になっている。
●3DカメラはいつiPhoneに搭載されるか
アレイカメラ方式の弱点としては、カメラモジュールのコストが高くなることが1点挙げられる。現在スマートフォンやタブレットに搭載されているイメージセンサーはハイエンドのものでも単価は10ドル未満であり、これとレンズやLEDフラッシュと組み合わせて搭載したとしても、製品全体のBOM (Bill Of Material)に占める割合はそれほど大きくない。現在タブレットへの採用が少しずつ進みつつあるRealSenseでも若干割高ではあるものの、それほどコストに大きなインパクトを与えるものではないと考えられる。
ただし筆者が聞くところ、Pelicanのような専用カメラモジュールの場合はこれらに比べ2~3倍程度のコストを要するとのことで、これほどではないとしても、LinXの技術の採用はコスト上昇要因の1つとなるかもしれない。