ロシアの「プラグリェースM-27M」補給船は、なぜ制御不能に陥ったのか (1) 事故による国際宇宙ステーションへの影響は
や「ミール」といったソ連の宇宙ステーションに向けて打ち上げられ、2000年からは「国際宇宙ステーション」(ISS)へも物資を運んでいる。
今回のプラグリェースM-27Mは、ISSに向けて打ち上げられたものとしては59機目、1978年の1号機から数えると通産150機目となるプラグリェース補給船であった。また、打ち上げたロケットの側面には、対ドイツ戦勝70周年を記念したロゴも入れられていた。しかし、その記念すべき飛行は、一転して悲劇となった。
○ロスト・イン・スペース
プラグリェースM-27Mを載せた「サユース2.1a」ロケットは、カザフスタン時間2015年4月28日13時9分(日本時間2015年4月28日16時9分)、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地の31/6発射台から離昇した。プラグリェースM-27Mには、ISSに補給するための水や食料、日用品、燃料や酸素など、2357kgの物資が搭載されていた。
当初、ロケットは順調に飛行し、予定通りの軌道にプラグリェースM-27Mを乗せ、打ち上げは成功したかに思われた。しかしその直後、プラグリェースM-27Mに装備されているいくつかのアンテナが展開しないという問題が報告された。