アドビ システムズがクラウドサービスを推し進める狙いとは? - 新社長・佐分利ユージン氏が語る
そこは、社員に嫌われるぐらい徹底しました。売上高などのデータからは、バックミラーを見ることはできますが、フロントガラスの先に何があるのかといったことはみえない。だが、顧客満足度という指標は、フロントガラスの先を見通すには重要なデータです。
コールセンターにどんな連絡が入っているのかといったことも、その指標のひとつです。シンプルな言い方をすれば、顧客満足度が悪化すると、その先の売り上げは必ず悪化することになる。自分のクルマがどこにいるのかということを理解するには、360度すべてがわからなくてはならない。そのためにデータの可視化は重要な要素です。もちろん、100%のデータは集まりません。
なにかアクションを起こすにも、社員には7~8割の状況がわかってもらえればいい。そうすれば、私は5割以上の状況が理解できて、そこから判断ができる。完全なところまで待つと何も動かなくなってしまいます。データはあくまでも手段です。その点では、データとの正確性と、ビジネス判断の迅速性のバランスが重要ですね。
私が、こうしたことにこだわるのは、長年、マーケッターをやってきたDNAだと思います。データドリブンの仕事の仕方は、自然と身についたやり方です。