アドビ システムズがクラウドサービスを推し進める狙いとは? - 新社長・佐分利ユージン氏が語る
もちろん、勘や根性といった要素も必要です。アドビ流にいえば、左脳と右脳をバランスよく使うことが必要。これも重視していきます。いずれにしろ、データを可視化していくという取り組みは、これまでにはない大きな変化だといえます。また、前社長のクレイグ・ティーゲル氏を私はとても尊敬していますが、やはり日本語の壁があったのではないでしょうか。その点では、私は日本語でパートナー、ユーザー企業、エンドユーザーとコミュニケーションできますから、その点も大きな変化でしょうね。より緊密なパートナーシップを図りたいと考えています。
一方で、変えなかったのは、アドビが持つすばらしい企業文化です。
特に、協業の意識が強いですね。例えば、製品に関するトラブルが発生した場合に、この情報の社内への伝わり方はとにかく速い。現場から上に上がっていって、そこから本社に伝わって、本社の現場に伝わって解決するというのではなく、現場から一気に本社のしかるべき人につながる。これはシステムとか、プロセスがあって実現しているのではなく、アドビが持つ文化だと思います。
――日本マイクロソフトから米マイクロソフト本社に勤務後、帰国した途端にアドビ システムズの日本法人社長に就任したのには正直驚きました。