1990年代後半、株価が低迷する中、株式投資において配当金が注目され、海外投資家などからの強い要求もあって、安定した低い水準の配当金ではなく、例え変動したとしても、企業業績に見合った配当金を求める声が徐々に高まりました。
ステップアップ
安定配当の政策下では、高業績などにより配当金を増やす場合でも、増額する部分を「特別配当」、「記念配当」と称して追加的に支払う形式にし、将来、元の水準に戻した場合に、減配と見られるのを避けるようなことが行なわれていました。
○配当性向
配当性向とは、その決算期の企業の最終利益に対する配当金の割合を示すものであり、その期の配当金をその期の最終利益で除して算出します。日本企業の配当性向は30%程度と言われており、40%~50%程度といわれる欧米企業に比べると低い水準にあります。なお、利益を配当に回すか投資に振り向けるかは、企業の成長段階や経営スタイルなどによって変わるものであり、配当性向の水準だけで企業の優劣を決めることには注意が必要です。足元で、日本企業は「稼ぐ力」を強く求められるようになっており、ROE(自己資本利益率)の向上や、その先にある株主還元の強化が大きな課題となっています。