Photoshopの生みの親・トーマス・ノール氏が"初代フォトショ"のデモを再現
デモで次々に映し出されたトーマス氏の作品は、いずれもコントラストが明確で、輪郭がくっきりと印象的だ。
○25年も生き続けている多くの機能
Photoshopには、初期バージョンから生き続けている機能がたくさんある。たとえば、レベル補正ダイヤルは、トーマス氏が子どもの頃に暗室での現像で苦労してきた経験がダイレクトに反映されているという。「黒を黒に、白を白に表現するのは非常に難しい。露出を変えたり、コントラストを修正したりするが、なかなかうまくいかない。そこで、発明したのがレベル補正ダイヤル。ひとつのダイヤルで白、別のダイヤルで黒、それぞれ独立して調整できるようにしたんだ」とトーマス氏は紹介した。
このほか、コピーペーストした画像部分を元画像の背景に置くこともできるフローティング機能、RGBチャンネルの個別調整機能、ぼかし(ガウス)、そして、トーマス氏が学術論文のために開発した輪郭を認識する機能も、初期バージョンから現在に至るまで搭載され続けている。
もちろん、25年間で大きく変わったものもある。最大の変化は、Photoshopを使うためのハードウェア環境だろう。1990年当時は、画像を取り込むスキャナも、Photoshopが稼働できるスペックのMacintoshも高価だった。