半導体ポリマーを塗布して作る太陽電池で変換効率10%を達成 - 理研など
具体的には、半導体ポリマーとフラーレン誘導体を融合し、発電層の厚さを約300nmと従来の2倍に厚くすることで、電流密度を増大させた。一般的に半導体ポリマーはシリコンなどの無機半導体に比べてホール移動度が低く、発電層を厚くするとホールが電極に達する前に電子と再結合してしまうため変換効率が下がるが、PNTz4Tはホール移動度が高いため発電層を厚くすることが可能だった。
また、PNTz4Tは上部電極方向にホールを流しやすい特徴を持つため、従来のOPV素子の陽極と陰極の配置を入れ替えた素子を適用したことも変換効率の向上につながった。
今後、PNTz4Tに改良を加え、材料に適した素子構造を開発することで、実用化の目安とされるエネルギー変換効率15%の到達に大きく近づくことが期待される。