くらし情報『航空ビジネスの裏側 (3) ピーチ初の"自社購入"って? - 飛行機リースはこうして航空市場を支えている』

2015年6月30日 10:30

航空ビジネスの裏側 (3) ピーチ初の"自社購入"って? - 飛行機リースはこうして航空市場を支えている

投資家の税効果メリットの一部をリース料の低減に充てるなど、借り手側にも応分のメリットがあることもその一因となったのである。

○航空機リースの隆盛が新規航空会社設立を後押し

しかしその後、税制の変更により1998年に外国をまたぐ日本型レバレッジドリースが禁止、国内組成も2005年法改正でできなくなった。その後に市場に広まったのが「オペレーティングリース」である。日本型レバレッジドリースがいわゆるファイナンスリースであり、金融の一形態的性格が強かったのに比べ、オペレーティングリースは比較的リース期間が短く、機体の所有者(貸し手)の顔が見える形態である。

このオペレーティングリースの主役は、豊富な資金力を背景にした世界のリース会社だ。彼らの武器は"まとめ買い"で、個々の航空会社が購入するよりもはるかに大きい百機ロットの大型発注をすることで機体メーカーとの価格交渉力を強め、売れ筋の機体を大量・安価に購入する。借り手が決まらないうちに買うので機体のデリバリーポジションは成り行きで決め、あとは「この時期にこの機体があるので借りませんか」と営業するビジネスを展開した。

一見リスクが大きいように見えるが、売れ残りそうな機種には手を出さないし、リース会社が大量に機材を押さえてしまうと航空機の受給が逼迫し、貸し手優位の市場を作ることができる。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.