アニメ制作におけるデジタル作画のメリットは? - アニメ業界の現状と課題の解決に向けて
と「工程」に分け、さらに「工程」を「アセット」「ショット」「ポスト」の3つの段階に分割する。たとえば「モデリング」という工程を行うためには「デザイン/設定」という資料が必要であり、「レイアウト」という工程のためには「ストーリーボード」という資料が必要になる。すなわち工程と資料の関係を言い換えるなら、「設計」と「施工」ということになるのだ。
ここで重要なことは、制作物が各工程を流れていく際に、担当者同士が「データを確実に受け渡すこと」だと片塰氏は強調する。
ポリゴン・ピクチュアズは国内では珍しく水平分業型を採用しており、リグやモデリング、ルックデブといった機能ごとに専任のスタッフを配置している。よって、何度となくデータの受け渡し作業が発生するのだが、注意しないと「渡したデータが最新のものではなかった」「データを上書きしてしまった」といったさまざまな事故が生じる可能性がある。
そこで同社では、専用のデータマネージャを開発し、各部署の最新データの共有や履歴管理ができるようにしている。さらに、「HIERO」を導入することで、最新のレイアウトやアニメーションを自動的に収集。
翌朝のチェック時に一本のムービーにして再生できる体制も整えている。