くらし情報『北大など、チョウザメの「始原生殖細胞」に関する新たな事実を解明』

2014年2月18日 14:44

北大など、チョウザメの「始原生殖細胞」に関する新たな事実を解明

そのためには、配偶子の元となる細胞であるPGCの由来を明らかにしなければならないというわけだ。

すべての生殖細胞の元になるPGCは、胚発生の早い段階で胚中に形成される。PGCは将来の生殖腺とは離れた領域で形成され、胚発生を通して生殖腺へと移動する性質を持つ。カエルなどの無尾両生類やゼブラフィッシュなどの魚類では、特定の細胞質(生殖細胞質)を受け継いだ細胞がPGCに分化することが知られているが、PGCが作られる胚の領域はそれぞれの種で大きく異なる。

例えばカエルでは卵黄に富む胚の植物極側でPGCが形成され、ゼブラフィッシュでは胚の動物極側でPGCが形成されるという具合だ。その中間的なパターンを示す動物系統がいるのか、いるとしたらPGCはどのように発生するのか、そうした点はこれまで明らかにはなっていなかった。

今回の研究対象であるチョウザメの胚発生パターンは、カエルによく似ていることが知られている。今回の研究では、生殖細胞質あるいはPGCだけを緑色蛍光で標識するようにデザインされたメッセンジャーRNAを極小のガラス針で発生過程の胚に顕微注入することで、チョウザメ胚のどの領域でPGCが形成され、どのように将来の生殖腺形成部位に移動するかが詳しく調べられた。

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